更年期の自律神経失調症③
しかし、いずれ更年期障害の症状は治まります。2~3年で治まる人もいれば、5~6年かかる人もいます。
これは、やがて視床下部も、いくら命令しても女性ホルモンが出てこない、つまり老化したのだということを理解するからです。
無意味な命令を出していたことに気づき、他にも自分本来の大事な仕事があるということを思い出すわけです。比較的早くこれに気づく人もいれば、なかなか気づかない人もいます。
この差によって、更年期障害の期間の長短が出てくるのです。
また、ほとんど更年期障害を感じないで過ごす人もいます。こういう人は、切り換えの早い人なのでしょう。女性ホルモンが出なくなったことの意味をすぐに悟り、ムキになって命令を出すこともなく、スムーズに自分の仕事に取りかかれる視床下部を持っている人と言うこともできるでしょう。
いまはわかりやすくするために、視床下部をまるで意思を持った人格があるような表現をしましたが、これはあくまでわかりやすく説明するための便宜的な表現です。実際のところは、自分の意思とは関係ない、また自分の意思ではどうすることもできない働きをしているものです。
ですから、このメカニズムの狂いを知ったからといって、自分の意思で視床下部の働きを適切に矯正することはできません。
そこで、お医者さんに行って相談すると、運動を勧められたりすることになることが多いはずです。それもかなり激しい運動です。
なぜ運動を勧められるのかというと、運動をすると自律神経が刺激されるからです。
運動によって体温は上昇します。それによって発汗作用が働き、汗が出ますし、心拍数は増え、血流速度、血量も増加します。
これらはすべて、自律神経によってコントロールされているものです。
自律神経が嫌でも働かないと、こういった身体の調整はできません。つまり、運動すると自律神経が刺激されることになるのです。
こうして半ば強制的に自律神経を働かせると、視床下部もまた刺激を受けることになり、「卵巣からの呪縛」を解き放つことができます。その結果、本来の仕事を思い出してくれる、つまり更年期障害から脱却できるというわけです。
こうした理由で運動を勧められるのですが、うまくいく場合もあるし、うまくいかない場合もあります。単純にそれだけで治ればよいのですが・・・・そう簡単ではありません。
この他に、ホルモン投与を行うこともあります。これは速効性があります。内部からのものだろうと外部からの物だろうと、視床下部が女性ホルモンを検知できれば、安心して他の仕事に取りかかれるからです。しかし、投与を止めれば、また同じことになってしまいます。
では、中国足心道では、どう対処するのでしょうか?
※続きは明日!