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利休七則③ 花は野にあるように【この一瞬を大切に今出来る最高のおもてなしを】

 こんばんは。本日は、利休七則の3つ目「花は野にあるように」についてお話し致します。

 茶道で生ける花は“茶花”と呼ばれ、一輪挿しで床の間や壁に飾ります。自然の中にあるままで入れることが重んじられているため、生け花のように技巧的に見せたり華やかに飾ったりすることはありません。剣山も使いません。まるで摘んだままをそのまま花瓶に挿したかのように素朴な飾られ方をします。

 「花は野にあるように」は、いろいろと解釈されていますが、私は「花は野にあるように」というのですから、野に生えている花をそっくりそのまま持ち帰って、それを花瓶に入れたらよいと思っていました。しかしそれは間違っているようで、千利休は自然に生える花こそ美しく尊いものだと言っており、さらに自然の持つ個性の美しさ、その生命の尊さをわずか一輪の花において、それを表現するところに“茶花”としての本当の意味があると教えています。

 生命の尊さを一輪の花で表す、素朴にシンプルかつ内側からあふれる美しさを表現するという意味で“茶花”は、いわゆる「侘び・寂び」を象徴しているかもしれません。

 花はいずれ散ります。来年はまた新しい花を咲かせますが、それは一度散ってしまった花とは同じ花でも違う花なのです。今日出会った花と再び巡り合うことはありません。これはまさに「一期一会」を表しているのではないでしょうか。

 私は、「花は野にあるように」について、「お客様と出会っているこの時この瞬間は、たった一度きりのものであるので、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをする」という風に解釈し、お客様を施術する際の心構えとしていきます。

 

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